2018.10.26地盤 , 地盤調査・解析

地盤調査報告書の基礎知識|スウェーデン式サウンディング試験とは?

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サウンディング調査とは

地盤調査書が戻ってきても、専門用語が並んでいてよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は地盤調査の基礎知識から解説した後、木造住宅で一般的に採用されている「スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)」の概要と試験方法、地盤調査書の見方を説明します。

最後まで読んで頂くことで、地盤調査書の見方と、地盤調査のポイントが分かるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

地盤調査の基礎知識

●地盤調査とは?

調査では、地盤の硬軟や盛土・埋戻し土の状況、土層の構成を調査して地盤の状態を判断します。しかし、一般的には各地層の土のサンプリングまではしません。地盤の調査結果に基づいて、地盤改良工事や住宅の基礎を補強する工事が行われます。一般の住宅などの小規模建築物の建築で行われる地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)と呼ばれる調査方法が一般的です。

それでは、スウェーデン式サウンディング試験の概要について、以降で見ていきましょう。

 

●スウェーデン式サウンディング試験とは?

先端にドリル状の部品(スクリューポイント)がついた鉄の棒(ロッド)を地中にねじ込んで地盤の強度を測定します。地質調査というとボーリング調査(標準貫入試験)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、ボーリング調査には費用がかかります。スウェーデン式サウンディング試験は、 地盤調査の方法としては低コストで簡易的な部類に含まれており、今では一般住宅の地盤調査で使用されるのが主流です。

 

スウェーデン式サウンディング試験といわれる由来は、1917年に北欧スウェーデンの国有鉄道により、路盤調査をするための方法として採用されていたことがはじまりです。北欧諸国でさまざまな建築に用いられるようになり、日本では1950年代前半に当時の建設省が堤防の調査へ導入したことがきっかけで普及しました。また、スウェーデン式サウンディング試験の頭文字を取り「SWS試験」「SS試験」と呼ばれることもあります。

 

 

スウェーデン式サウンディング試験の方法

建築する建物が一般的な大きさの場合、地盤調査をする計画建物の四隅と中央の5カ所で調査をします。調査では先端にドリル状の部品(スクリューポイント)を取り付けた鉄の棒(ロッド)を地面に垂直に立てます。

垂直に立てた鉄の棒におもりを載せることで、荷重に対する貫入量を測り地盤の強度を算出しているのです。最大荷重は100kgですが、100kgの荷重でも貫入しなければ上部のハンドルを回して、さらにロッドを貫入させ、25cm貫入するまでの半回転数を記録します。

しかし、土を直接採取する作業は行わないため、土質の判定結果はあくまで推定です。また、土質判定に関して貫入時の音や感触などが重要で、判定結果の正確性には技術者の技量や経験が影響します。なお、調査の深さは一般的に地中10m程度までで、敷地内が更地であることが望まれます。建て替えで既存の建造物が残っている場合は、調査機械が搬入できれば調査ができます。

 

【地盤調査を依頼する前に確認しておきたいポイント 】

スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査を依頼する前に確認しておきたいポイントが2点あります。

測定結果の見方

・盛土があるかどうか、ある場合はその厚さ

盛土があると、盛土は新しいほど収縮しやすく、厚いほど収縮する量は大きくなります。土の荷重はかなりありますので、家を建てるときに、家の荷重だけでなく盛土の分も換算しなければなりません。盛土があるかどうか、いつ盛土をしたのかは売主や不動産業者の担当者に確認しておきましょう。ヒアリングの内容と地盤結果報告書の結果を見て、盛土が実際にはどの程度あるのかを判断します。

 

 

 

・地下水位を計測するかどうか、場合によって追加で計測を依頼

地盤が軟弱だと判明して地盤の補強工事を行う際、地下水位によって可能な工法が違ってくるため、地下水位の計測も重要です。また、地震の際に液状化現象が起こりやすいかどうかも地下水位が関係します。しかし、SWS試験での地下水位測定は簡易的なものであり、孔壁崩壊により地下水位が不明となる場合もあります。より正確な地下水位を知りたい場合は、地下水位計による計測をお勧めします。

 

 

地盤調査報告書の見方

スウェーデン式サウンディング試験は、先端にスクリューポイントをつけたロッドと呼ばれる鉄棒を地面に突き立て、段階的に重りを乗せてどれくらいロッドが沈むかを測定します。重りによる測定のあとは、ハンドルを回転させて土中に差し込み、地盤の強度を測定するという流れです。調査報告書に記載されている項目と、そのデータが持つ意味について以下でご説明します。

 

貫入深さ スウェーデン式サウンディング試験では、25㎝貫入させるのにハンドルを何回転させたかで、その地盤の強度を測定します。貫入深さは地表面からの深度を表します。
荷重Wsw 5、15、25、50、75、100kgと段階的に荷重をかけてロッドの沈み方を測定します。荷重Wswはかけた荷重を表します。
半回転数Na 重りの荷重だけで沈まない場合、25㎝貫入させるのに必要なロッドの半回転数を調べることで、地盤の固さを測定します。半回転数Naは25cm貫入するのに要した半回転数です。
1mあたりの半回数Nsw 半回転数を1mあたりに置き換えたもの。Nsw=Na×100/L(L=貫入量)で表します。
荷重のグラフ 荷重Wswをグラフ化したもの。どれくらいの荷重でロッドが沈んだかが分かります。荷重グラフの範囲内でグラフが止まっている場合は、比較的弱い地盤であることを意味します。
1mあたりの半回転数のグラフ この範囲までグラフが伸びている場合、100kgの重りでも沈まないことを意味し、地盤にそれなりの強度があることが分かります。
換算N値 換算N値は、N値をスウェーデン式サウンディング試験の換算式に当てはめて算出された数値です。N値(標準貫入試験値)は地盤の硬さを表す指標であり、この値が大きいほど地盤が硬く締まっていることを意味します。ボーリング調査でおもりを自由落下させながらロッドにぶつけ、ロッドの先端に取り付けたサンプラーという部品が、地中30cm沈むまでの打撃回数を数えてN値と呼びます。

 

●貫入状態の見方

調査報告書には、地盤の貫入状態を示す項目もあります。

ストン 早い自沈の場合
スルスル 「ストン」と「ジンワリ」の中間的な速さ
ジンワリ 「スルスル」と「ユックリ」の中間的な速さ
ユックリ ゆっくりと自沈する場合
打撃 荷重と回転を加えても貫入できず、上部より人力で打撃を加えること
貫入不能 打撃などを加えても貫入しない

 

貫入状態は、「記事」と呼ばれるところに記載されています。ロッド貫入時の音や感触などを示すデータです。ここを見ることで地盤の推定土質、貫入時の状態などが分かります。

 

自沈層の有無を見る

自沈層の有無

自沈層と表現される地盤は、ハンドルを回転させなくても重りを付けただけで沈んでいく地盤です。スウェーデン式サウンディング試験では、「荷重+回転数」で地盤状態を調べ、地盤の硬さを判断します。半回転数がゼロであれば自沈層と判断され、地盤補強工事が必要な場合もあります。つまり、自沈層の有無が地盤補強工事の必要性を判断する1つの基準といえます。

 

 

 

 

 

地盤調査を行うときのポイント

●住宅を購入する前に地盤調査を行う

土地や土地を含む物件の売買契約を締結する前に地盤調査をさせてもらいましょう。ただし、事前の地盤調査には、売主や不動産会社との交渉が必要になります。

事前に地盤調査を行うと、購入後のトラブルを防げます。購入後に地盤が軟弱と分かると、地盤改良に余分な費用がかかり、当初考えていた住宅建築費用が予算オーバーになってしまいます。事前にその地盤が軟弱だと分かっていれば、地盤補強工事分の費用も予算に組み込んで考えることが可能です。

 

このようにメリットの多い事前の地盤調査ですが、交渉をしてみると難色を示す売主が少なくありません。売主にとっては、地盤調査の結果が悪いと売れなくなってしまう、という懸念がありますので、断りたくなる人が多いのだと考えられます。

事前の地盤調査を認めてもらうための交渉術としては、購入条件として「地盤調査の結果を踏まえて」と提示する方法がおすすめです。

もし売主や不動産会社があまりにも事前の地盤調査を嫌がるようであれば、逆にその土地の地盤は何か問題があるかもしれません。そのような場合は、そもそも売買契約を締結すること自体、再考する必要があります。

 

●地盤調査報告書のデータだけで判断しない 

データだけで判断しない地盤の強さは、地盤調査のデータだけでは分かりません。地盤の造成状況や周辺環境、地形や土質などさまざまな角度から地盤状況を調べ、そのデータも判断材料として加味する必要があります。そのための資料収集や現地調査を行い、調査データを裏付けることで精度の高い地盤の解析が可能です。

スウェーデン式サウンディング試験では地層ごとの試料をサンプリングするわけではないため、調査データを見ていて特定部分の土質が気になるようなら補足試験を検討する場合もあるでしょう。地盤調査報告書を補足する情報を集めて精査し、地盤のより正確な把握に努めましょう。

 

 

 

おわりに

地盤調査報告書の見方について解説しました。住宅の建築で一般的に採用されているスウェーデン式サウンディング試験は、低コストで地盤調査を行うことができる試験方法です。地盤調査報告書にまとめられた内容は、どれもその土地の地盤を判定するために重要な情報ですので、ひと通り意味は理解できるようにしておきましょう。地盤調査を依頼する前には、盛土があるかどうか、地下水位の計測依頼もしておきます。

 

地盤調査は、土地や土地付きの住宅を購入する前に、事前調査をするよう売主や不動産会社と交渉することも重要です。事前の地盤調査で地盤の状態を把握することで、住宅建築にかかる費用をより正確に見積もることができると同時に、そもそもその土地を購入するかどうかを検討する材料にもなります。

 

調査の結果、自沈層があるかどうかが地盤補強工事をするかどうかのひとつの判断基準になります。ただし、スウェーデン式サウンディング試験では土のサンプリングをしないため、気になる地層があれば、補足試験が必要になる場合もあるでしょう。地盤調査報告書の内容を裏付けるようなその土地の地形図・自治体で公開されている地層情報などの調査も怠らずに進めることで、より正確に地盤の状態が把握できます。

 

地盤調査を有効活用して、安心して暮らせる家を目指しましょう。

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ジャパンホームシールド株式会社
ジャパンホームシールドは戸建住宅の地盤調査・解析、構造設計、住宅検査を手掛ける企業です。 年間10万件を超える地盤調査・解析実績は国内No.1。 住まいの安全・安心を追求し、住まいづくりに役立つ情報を発信いたします。