2017.08.24地盤サポートマップ , 特集

【専門家に聞く】第4回 活断層の地震に備える

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活断層の地震に備える

気象予報士・防災士の蓬莱大介です。

活断層地震で記憶に新しいのは、昨年4月に発生した熊本地震です。被害が集中した益城町では、道路1本はさんで家屋の被害の大きさが全然違うということが起きました。これは、建物の違いではなく「地盤」が関係しているということがわかってきました。震源は深さ約1112kmの岩盤ですが、その上に乗っている地盤の「揺れやすさ」により被害に大きな違いが出たということです。「その土地がどういう所なのか何も知らないで住む」という行為は、もはや日本では不自然なことであり、防災の第一歩は、自分の住んでいる場所がどういう所か調べる・興味を持つことです。防災行動は、忙しい毎日の中で後回しにしがちで面倒なことですが、今回の記事は、その重たい第一歩が踏み出せるよう背中を押す情報をお伝えしたいと思います。

断層と活断層の違いについて

現在、国土交通省によると、日本には活断層が2000以上あり、まだ地下深くに隠れているものもあるそうです。地面を掘り下げていくと固い岩の層があり、そこにはたくさんの割れ目があります。通常は、この割れ目はお互いかみ合ってバランスを保っていますが、ここに大きな力が加わると壊れてずれてしまいます。この壊れてずれる現象を「断層」活動といい、その衝撃が地面に伝わって震えることが地震なのです。そして、この「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し将来も活動すると考えられる断層を「活断層」と呼びます。

活断層の分布

活断層で発生する内陸型地震というのは、海溝型地震と違って比較的に地面の浅い所で発生し、瞬間的かつ局地的に大きな被害をもたらします。活断層の上でも既に多くの住宅が建ち、人々の暮らしがあります。しかし、断層の上だから立ち退けというのは、当然いまさら困難なわけで、自らそれぞれ対策をしていくしかありません。ちなみに、徳島県では2012年に学校や病院などを建てる業者に活断層調査を義務づけるようにし、活断層の真上には建てないよう求める条例を施行したという例はあります。


 

自分の地域の活断層と地震の発生確率を知る方法

地盤サポートマップでは、活断層帯がどこにあるか表示することができます。地震の発生確率(震度5弱以上)(震度6弱以上)も見ることができます。

また、最新の情報や詳細な情報を知りたければ、政府が地震調査研究推進本部を設置しており、地震専門の「地震本部」というサイトがあります。そこのトップページから[地震・津波の知識]を選択し[都道府県ごとの地震活動]をクリックすると、地域が選べてそれぞれの活断層の特徴や発生確率がわかるようになっています。このサイトは、非常に詳細で最新の地震の情報が得られますので、一度見ることをおすすめします。

地震の発生確率をどうとらえるか

たとえば近畿地方では、大阪市内の真ん中を走る上町断層帯があります。今後30年以内での地震発生確率は23%となっています。四国から伸びる中央構造線断層帯・和泉山脈南縁は0.0714%です。関東地方では、立川断層帯が0.52%とされています。

さて、この数字をどうとらえるかです。

熊本地震をもたらした布田川断層帯は、M7.0程度の地震の発生確率は30年以内で「ほぼ00.9%」と評価されていました。となると、今後の発生確率30年以内で1%以上というのは、「高い」と判断していいのではないでしょうか。

あなたのその場所は揺れやすい?

地盤サポートマップでは、250mメッシュで地震時の揺れやすさを色分けで判定しています。地盤が軟らかいと揺れが増幅されてしまい、たとえ震源地から離れていたとしても、むしろ揺れが大きい場所というのもあるのです。

活断層の詳しい情報は、「地震本部」というサイトで知り、地盤の揺れやすさや活断層の位置は「地盤サポートマップ」で知る、二つとも無料で簡単にできることですよ。

その土地がどういう所か知ったら、その次はどの程度まで対策をするかです。

「防災」とは、災害を未然に防ぐという意味ですが、この場合は「減災」です。災害を受けることを想定していかに被害を低減させるかという対策を考えましょう。

耐震、制震、免震とそれぞれありますが、どれがいいのか専門家に依頼するのも手です。

断層がどっちの方向に引っ張られて動く傾向にあるかまで調査してもらうと、その場所に建っている家がどういう影響が出るかまで最近では分かるようです。そうすると、たとえばその家の南側の壁を特に補強しておこうなど、対策が具体的でかつ必要最小限に抑えられるかもしれません。

 

地盤サポートマップはこちら:地盤サポートマップ

図の出典元:地震調査研究推進本部

 

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蓬莱 大介

蓬莱 大介

気象予報士・防災士。早稲田大学政治経済学部を卒業後、俳優を目指していたが、書店でたまたま気象予報士の資格を知り一念発起。2009年10月に合格し、11年から読売テレビで気象キャスターに就く。レギュラー番組は「かんさい情報ネットten.」「情報ライブ ミヤネ屋」「ウェークアップ!ぷらす」。著書『クレヨン天気ずかん』(主婦と生活社)