2018.03.19土地 , 地盤 , 住宅購入 , サポートマップ , 住宅 , 液状化 , 防災

液状化の可能性がある土地とは?

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どんな場所で起こりやすい?液状化の可能性がある土地とは?

液状化は、地震発生時に起こる可能性がある被害です。地盤が液状化すると、地盤沈下や噴砂、陥没が起こり、建物が傾斜してしまう恐れがあります。また、マンホールや埋設管などの 浮き上がりの被害が発生することもあります。

 

土地の購入を検討している方には、どんな場所で液状化が起こりやすいのか知っておくことをおすすめします。そこで今回は、液状化の可能性がある土地についてご紹介します。

 

液状化とは?

地下水に浸った緩い砂地盤が、強い地震動によって液体のように流動化することを「液状化」といいます。ひとたび液状化が起こると、地盤沈下によって、地下の埋蔵物が損壊したり、建物が傾斜してしまいます。

 

地盤の液状化は次の3つの条件が揃ったところに、 ある程度の大きさの地震の揺れが加わり発生します。

 

・その土地に砂が堆積している

・その砂が地下水に浸かっている

・その砂がゆるい状態である

 

次に、液状化現象のメカニズムを説明します。

砂粒の間にある水や空気の圧力が地震の揺れで、砂粒同士のかみ合わせが外れて水や空気中に浮いた状態になります。そして地震の揺れにより砂粒が密に再堆積して、上部には水や空気が移動します。

 

地震により砂粒の配列が密になることで地盤の体積が減少し、地表面が沈下します。水より軽い埋設管などは浮き上がり、杭を打っていない住宅などは地盤と共に沈下してしまいます。

 

液状化の可能性のある土地とは?

 

埋立地などの比較的新しい土地

どんな場所で起こりやすい?液状化の可能性がある土地とは?

比較的新しい土地とは、造成後年月が経過していない埋立地のことです。

 

2011年の東日本大震災の影響で起きた千葉県浦安市の液状化現象では、50~60年以内に造成された比較的新しい土地での液状化被害が目立ちました。

 

工法や土質、造成によって地盤の硬軟は左右されますが、比較的新しい土地で液状化が起きる可能性があることは把握しておきましょう。

 

 

旧沼地・旧池

もともと沼や池であった土地は、液状化現象が起こりやすいといえます。湾岸沿いだけでなく、内陸でも液状化は起こります。沼や池を埋め立てた土地は、地下水位が高いことが多く、埋め立てに使われた土や地盤の締まり具合によっては、液状化の発生条件にあてはまることがあるのです。

 

比高の小さい自然堤防、旧河道など

自然堤防や旧河道などは液状化が起こる可能性のある土地です。

 

自然堤防とは、洪水によって運ばれた砂やシルトが堆積して生まれた地形です。旧河道とは以前に川が流れていたところのことです。 河川は自然に流路が変わることがあるのです。 人工的に流路を変更することもあります。 旧河道は地下水位が高く、地盤は川によって運ばれた砂で構成されていることが多いので、液状化リスクがある地形といえます。

 

大河川の沿岸

どんな場所で起こりやすい?液状化の可能性がある土地とは?

 

大河川の沿岸、特に下流域は三角州などにあたり、自然堤防、 後背低地、旧河道からなります。全体的に地下水が高く、 地盤の締まりはゆるい傾向があるため、 砂質地盤のエリアでは液状化現象が発生する可能性があります。特に、川の合流部や屈曲部は過去に氾濫が多かった地帯のため、注意が必要な場所です。

 

大河川の沿岸に土地の購入を検討している方は、地歴や、国や市町村から提供されている液状化危険度を示した 液状化ハザードマップで、その土地を調べてみましょう。

 

▶地盤調査・保証会社のハザードマップはこちら

 

砂丘間低地

長年にわたって砂が堆積して生まれた砂丘は、主に日本海沿岸や鹿島灘、遠州灘沿岸などに分布します。砂丘の砂は同じ大きさの粒で構成されています。さらに、砂丘の裾や砂丘と砂丘の間の低地は地下水位が高く、液状化が起こりやすい場所です。

 

砂鉄や砂利の採掘跡地の埋め戻し地盤

砂鉄や砂利を採掘した跡地の埋め戻し地盤は、液状化が起こる可能性のある土地です。

 

かつて日本では、砂鉄の採掘が盛んに行われていましたが、砂鉄の採掘後、掘り起こした穴の締め固めをせず、周囲の土(砂)で埋め戻しを行っていました。そのため、砂鉄採掘跡地の地盤は緩く、地震が発生すると液状化が起こりやすいといわれています。

 

沢を埋めた盛土の造成地

一般的に丘陵地帯は液状化現象が起こりにくいとされますが、丘陵地の造成地には谷や沢を埋めた部分があるものです。谷や沢を埋め立てた盛土の造成地は、液状化が起こる可能性のある土地です。

 

実際に東日本大震災では、沢を埋めた盛土の造成地で噴砂(地震の震動によって表層の砂質土が噴出する現象)が確認されました。

 

 

おわりに

今回は、液状化の可能性がある土地についてご紹介しました。

 

比較的新しい土地(埋立地)や旧沼地、砂鉄や砂利の採掘跡地、などでは、土地の性質上、液状化を起こしてしまう可能性があります。安全安心の住まいを手に入れるためにも、土地の購入前には、入念な調査を行うようにしましょう。

 

▶液状化調査ができる「SDS試験」についてはこちら

 

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